女性の薄毛や抜け毛にまつわるQ&A(育毛編)

 年齢を重ねると共に、多くの女性が抱える髪や頭皮に関する疑問とは・・・。髪と頭皮のエイジングケアに関する育毛の基礎知識をまとめてみました。

Q
育毛とは?
A

 頭皮の環境を整え血流を促し、毛根にある毛母細胞の分裂・増殖を活性化することで、ヘアサイクル(毛周期)を正常化させることが、育毛の最大の目的となります。

 ヘアサイクルが正常化し髪の成長期間が伸びることで、抜け毛が減り太くて丈夫な髪が生えてくる・・・結果、髪の密度が濃くなりボリュームアップへとつながります。

 一般的には育毛剤を塗けてマッサージをする行為が育毛への取り組みと捉えられがちですが、それだけではなく食生活・睡眠・運動などの生活習慣ストレスの改善も重要な取り組みとなります。
 髪に届く栄養は身体の中でも優先順位が低い為、身体の健康につながる生活習慣が髪の健康にもつながります。

Q
育毛の効果とは?
A

育毛の仕組みには大きく2つあります。

・頭皮の血行を良い状態に保つ
 様々な薬品・化粧品メーカーによる統計でも、女性の頭皮の血流量と髪の弾力太さはほぼ比例しており、年齢があがるにつれ違いの差はさらにはっきりとした数値で読み取れるようになります。
 このことから、血流を滞らせずにいかに良い状態を保つかが、育毛における最大のポイントだという事が伺えます。

・毛根にある毛母細胞の分裂・増殖を活性化
 血液によって運ばれた栄養素を受け、髪を生み出す役割を担うのが毛包と呼ばれる部位にある毛母細胞で、この毛母細胞の活性化がヘアサイクルの正常化に繋がります。

 これらは頭皮環境生活習慣年齢など様々な条件によって大きく変化します。
 効率よく理想とする結果へ繋げるには、個々の状態に合わせ正しいケアを行うことが必要です。

Q
育毛に最適な生活習慣とは
A

・バランスのとれた食生活
 髪はタンパク質をアミノ酸に分解して、ケラチンというタンパク質に再合成することで作られているので、タンパク質が不足すると抜け毛や薄毛にも影響があります。
 またタンパク質の働きを促進する亜鉛やカルシウムなどのミネラル類、血行促進・健康な頭皮環境を保つビタミン類、ホルモンバランスを整えるイソフラボンなど、身体の健康を考えたバランスのとれた食生活が育毛には欠かせません。

・充分な睡眠
 睡眠が不足すると成長ホルモンの分泌量が減り、細胞の分裂が鈍くなり髪の成長を妨げます。
 また、頭皮のターンオーバーも乱れやすくなるため、最適な育毛環境を保てなくなります。
 午後10:00~午前2:00は成長ホルモンの分泌がピークになる時間帯で、特に質の良い成長ホルモンの分泌が増えるといわれているので、睡眠の時間帯を調整できればさらに高い効果が望めます。

・適度な運動
 体を動かすことで新陳代謝を高めたり、血流促進することで頭皮に栄養を送りやすくなります。
 特に上半身のストレッチなどは、頭部への血流改善に大きな効果が期待できます。

・ストレスの解消
 過度なストレスは、免疫力の低下や交感神経が優位となり、血管の収縮を引き起こすため頭皮への栄養を滞らせます。
 また、ストレスホルモンの分泌が活発になることで、女性ホルモンであるエストロゲンの減少を引き起こし髪の成長を鈍化させることがあります。

Q
育毛に頭皮マッサージは必要ですか?
A

必須です。

 頭皮は毛細血管しかなく、元々届けられる血液量も少ないため血行不良になりやすい部位となります。
 そのため積極的に血流を促すことが必要となります。

 また、頭部はリンパの流れを促す筋肉運動が少なく、老廃物が蓄積されやすい環境であったり、加齢とともに頭皮血管硬くなりやすいため、さらに頭皮のマッサージは欠かせなくなります。

Q
育毛に取り組んでどの位で変化を実感できますか?
A

 まずは1ヶ月~3ヶ月位の間に抜け毛の減少を実感し始め、3ヶ月~半年ほどすると産毛が目立ち始め、髪にハリコシを感じるようになってきます。見た目にも変化を感じるようになるのはその後の半年~1年後となります。

 育毛は頭皮へのアプローチだけではなく、体質生活環境にも大きく影響を受けるため、結果の出方や期間には個人差があります。

 また、育毛の結果はその時々の主観によって判断されがちなので、適正な判断を行うために取り組む前・中・後で写真を残して比較してみるとより効果が実感できるかと思います。

 頭皮環境が整い、ヘアサイクルが正常化して初めて効果が実感できるため、どうしても時間はかかりますが、育毛に取り組むうえで最も大事なことは継続することにあります。

Q
「育毛」と「発毛」の違いとは
A

 育毛予防促進を目的として、髪が育ちやすい頭皮環境を整えヘアサイクルを正常化することで抜け毛を減らし、細く生えてしまっている毛を太くて丈夫な毛に改善するなど、現存している毛髪の成長を助けることを主に行います。

 発毛治療改善を目的として、休止している毛根部の働きを活性化することで新たに髪を生やすことを主に行います。

Q
「育毛剤」と「発毛剤」どちらがおすすめ?
A

 育毛剤のほとんどは医薬部外品で、育毛環境を整えてヘアサイクルを正常化することを主な目的として使用します。抜け毛の予防頭皮環境改善につながる成分によって、細く弱くなってしまった毛髪やなかなか伸びない短い毛髪などが改善することで毛髪が本来のボリュームを取り戻します。
 発毛剤に比べて作用緩和なため効果を発揮するのに時間はかかりますが、副作用など体に対する影響心配不安がなく安心して使うことができます。

 発毛剤医薬品に分類され、ヘアサイクルに関する指令を出している毛乳頭の働き活性化させることを主な目的として使用されます。
 細胞へのエネルギー強い発毛剤は医薬品に分類されるため高い効果も期待できますが、血圧の低下や頭痛・発疹などの副作用のリスクも高くなります。

 それぞれの特性を踏まえて専門家の指導の下、目的症状の進行具合に合わせ正しく使用することで、効率よく理想とする結果につなげることができます。